浸水建物復旧のポイント

(一社)佐賀県建築士会 危機管理対策部会


① 「片付けの前に被害状況の写真を撮影!」
・保険金の請求や罹災証明を取得するときの状況証拠として役立ちます。
写真は、室内・外部を各方向撮影し、どこまで浸水したのかメジャーなどを当てた写真があるとベストです。高価な家財道具なども廃棄する前に撮影しておくことをお勧めします。

② 「被害状況を各所に連絡!」
・火災保険や共済に加入している場合は被害状況を連絡してください。
・賃貸住宅の場合は家主に被害状況を連絡してください。
・市町に罹災証明の申請を行ってください。(市町の体制が整ってから)

③ 「ライフラインのチェック!」
・コンセントが水に浸かった場合は漏電の危険があるため、プラグを抜いて、完全に乾くまでブレーカーを上げないでください。
・LPガスの場合は、ボンベが元の位置から動いてないか確認してください。
・下水については敷地内のマンホールなどが動いていないか、詰まらず流れるか確認してください。

④ 「片付けは家財から!」
・乾けば使えるもの、水を吸って使えないものに分類し浸水した部屋の外に搬出します。
・水を吸って重くなる物もあるため、ゆっくり無理をせず行ってください。(重いものは複数人で)
・ごみ捨てや分別については、市町の情報を確認して廃棄してください。(大事なものは慎重に)

⑤ 「床下に水が溜まってないか確認!」
・基礎の通気口や床下点検口を覗いて確認し、水が溜まっていたら排水してください。
・床下が土敷きの場合は、表面に流入した泥土を除去し、完全に乾燥させてください。
〔※消石灰は消毒効果が期待できませんので使用しないでください。〕

⑥ 「浸水した部分を拭き取り乾燥させる!」
・建物の大敵は「湿気」です。通風をよくして(可能であれば扇風機などを使って)建物全体を完全に乾燥させてください。
・カビを防ぐため、消毒液を吹付けて拭き取ることをお勧めします。
〔※消毒はエタノール・塩化ベンザルコニウム・次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。〕

⑦ 「床や壁の内部に溜まった水分を除去する!」
・建物を覆っている断熱材が水を含んでいる場合は、その部分を除去する必要があります。
建築士や施工業者の助言を得ながら行うか、経験のあるボランティアに頼むことをお勧めします。
(やり方によっては、構造体を痛めたり、そのあとの復旧を難しくすることがあるためです)

作業は無理せず、できるだけ大人数で! 支援団体やボランティアの手も借りましょう!